Kaunas

  • 2017.05.21 Sunday
  • 23:23

 本日、列車に乗ってヴィリニュスからカウナスへ向かう。

 ホテルで呼んでもらったタクシーの若いドライバーさんに、道中

「日本人ですか?」と日本語で尋ねられた。

 リトアニアで、まさか日本語で話せる運転手さんがいるとは!

 聞けば、大学生の時に、我らがこれから向かう「杉原記念館」で日本語を習ったのだとか。

 なんだか、不思議な気持ちになる。

 

 「東洋のシンドラー」と呼ばれる杉原千畝さんが、カウナスの日本領事館領事代理になったのは、昭和14年のことだ。

 彼が赴任した直後、第二次世界大戦が始まった。

 当時、ドイツ占領下にあったポーランドでは、ナチスによるユダヤ人の迫害が激しく、多くのポーランド人がリトアニアに逃れて来たのだ。

 ある朝、杉原千畝氏が騒がしい音に気づき外を見ると、100人あまりの人が日本のビザを欲しがり並んでいた。

 彼は、何度も日本にビザの発券許可を求めるが、日本からは良い返事は返ってこない。

 悩み葛藤の末、人道的にどうしても拒否できないという理由で、独断で発券を始める。

 その数約1600枚。一家族に1枚だったので、6000人ほど救ったと言われている。

 

 

 ヴィリニュスからカウナスまでは、列車で1時間ほど。

 カウナス駅に着き、ホームに下りると、いきなり目の前に杉原千畝さんのお顔!

 

 

 駅から坂を上り、住宅街を通って、記念館へ。

 訪れる人が多いのかな? 

 ちゃんと案内標識もあった。

 

 

 そして、ついに杉原記念館に着きました。

 記念館前にはバスが止まっていて、中から日本人ツアーの団体さんが、次々に中に入っているところだ。

 やはり、リトアニアに来た日本人は、ここを訪れるんだなぁ〜。

 

 中に入りと、流暢な日本語を話す現地のすらりとした青年と、ケンタッキーフライドチキンのカーネルおじさん風の初老の男性がいらした。

 まずは、杉原さんの10分ほどのフイルムを部屋で見た後、彼が実際にユダヤ人にビザを発行した部屋を案内してくれた。

 

 

 キャビネットは当時使われていたものでは無いそうだが、中には当時の写真が納められている。

 

 

 ここで、彼は退去命令を受けながらも、24日間、万年筆が折れるまでビザを書き続けた。

 メトロポリタンホテルに移ってからの6日間も、さらに難民のためにビザを書きまくった。最後には、汽車に乗ってからも、、。

「許してください、私にはもう書けません。皆さんのご無事を祈っています」

 こうして汽車は走り去ったのだ。

 

 机などは博物館から譲り受けたもので、当時実際に使われていたものでは無いのだが、後ろの国旗は杉原さんが使っていたものだ。

 国の命に背いてまで、ユダヤ人の人々のためにビザを発行した彼は、ビザを渡すときに必ず「日本、万歳」と言わせたそうだ。

 その思い、、。

 書くことが国に背くことになっている彼にとって、その声は、彼自身の支えにもなっていたのではないだろうか。

 

 

 記念館で買った絵ハガキ。

 この記念館には2000年に、杉原さんの奥様もいらしたそうだ。

 

 記念館には、団体ツアーでいらした方々の他に、ご夫婦お二人でだけで来ている方もいた。

 同じ日本人が、こうしてリトアニアで会うのも何かのご縁なので、

「どちらからですか?」

 と、話しかけてみると、なんと同郷、北海道からというから、びっくりしてしまった。

 すっかり嬉しくなり、一緒に写真までとって頂いた。

 退職後、暮らすように海外を旅しているお二人、とっても素敵でした。

 また、北海道で、いつかお会いできるのでは??

 何となく、そんな予感がする。

 

 

 記念館を去り、新市街を貫くライスヴェス通りを、買い物を楽しみながら歩く。

 無性に和食が恋しくなり、「YAKATA ボートの小屋」というレストランで、お寿司を食べ、ここでタクシーを呼んでもらった。

 駅に行きたいのだが、運転手のおじさんが英語が全く話せず「トレインステーション」も通じない。

 汽車でヴィリニュスに戻って、ロッカーから荷物を出し、またそこから空港に向かわなくてはいけないというのに、ここで間違った場所に行くのは、避けたい。

 イタリア語はどうだろうと「トレーノ」とか「スタッチオーネ」などと言ってみるが、全然ダメ。

 夫がカバンからごそごそと旅のバイブル「地球の歩き方」を取り出し、後ろのページにある旅の言葉から、リトアニア語の駅「stotis」を何とか調べ、

「ストティス!」と叫ぶと、おじさん、やっとニッコリ笑って車を発進。

 ふ〜。

 

 無事に駅に辿りついた我ら、おじさんに「ありがと〜」と手を振ると、200点満点のとびきりの笑顔で手を振り返してくれた。

 そのおじさんの笑顔だけで、この国がさらに私達の心で、温かみを増した。

 

 いい旅、できたと思う。

 

Vilnius

  • 2017.05.20 Saturday
  • 23:43

 昨日19日、息子の学校が終わった後、リトアニアへ飛んだ。

 首都ヴァリニュスのホテルに着いたのは、夜中の12時。

 時差が2時間ロンドンとあるとはいえ、その分朝も早いので、少々眠い。

 でも、初のバルト三国。

 張り切って、朝から街の観光へ。

 

 

 旧市街カテドゥロス広場の前にある大聖堂と、高さ53メートルの鐘楼。

 まだ朝と言うのに、日差しが強く、気温もどんどん上がっている。

 ロンドンの曇り空の下で暮らす我らは、もう暑いというだけで、気持ちも上がる。

 

 ここは13世紀、十字軍騎士団からの圧力から逃れるために、ミンダウガス王によって建てられたが、彼が暗殺された後は自然崇拝の聖地となった。その後、1387年にヨガイラ公によって建て直され、現在の姿は18世紀の大改築によるもの。

 

 

 ギリシャ神殿みたいな入り口から見上げると、「わー、キレイ」。

 中はミサ中のため、写真は遠慮させていただいたが、ぐるりの中は見学できた。

 

 

 そこから丘を登って、ゲディミナス塔へ。

 塔の上からはヴィリニュスの街を一望でき、最高〜。

 

 

 この街は1994年、ヴィリニュス歴史地区として世界遺産に登録された。

 

 

 ソ連の支配下に置かれたり、ナチスが来たり、大変な歴史をもつリトアニア。

 独立してからまだ30年も経っていない。

 

 

 

 今回は行けない「3つの十字架の丘」と高さ326.47mのテレビ塔。

 昨日、空港から乗ったタクシードライバーさんが「テレビ塔からの眺めが最高だよっ」と、言っていた。

 彼はまた、ソ連の国家警察だった場所がそのまま博物館になっている「KGB博物館」もおススメと言っていた。そこには実際に拷問に使われていた施設がそのまま再現されているようなので、チビ助も一緒な我らは、ちょっとためらってしまう。

 その代わりと言う訳では無いが、丘の下にある「リトアニア国立博物館」に入った。

 ここでは、リトアニアの歴史や文化などが紹介されており、見ごたえ抜群。

 

 それにしても、教会の多さにビックリ。

 

 

 1604年 イエズス会によって建てられた聖カジミエル教会。

 

 

 15世紀末に33種類の煉瓦を使って作られた聖アンナ教会と、19世紀に造られた鐘楼。

 遠くからも、浮き立つほど存在感のある姿。ナポレオンもフランスに持ち帰りたいと言ったそう。

 

 

 17世紀初頭に、当時リトアニア大公国の最高位にあったレオ・サピエガが建てた聖ミカエル教会。

  この他にも、まだまだ、、。

 

 

 そしてこちらが、夜明けの門。

 もともと9つあった城門の内、唯一残っている門だ。

 

 

 ここには礼拝所があり、この聖母イコンは奇跡を起こすと信じられ、多くの信者が訪れている。

 我らもせっかく来たんだからと、入り口から入ったのだが、列に並ぶのを憚ってしまった。

 礼拝所に続く階段に並ぶ信者の列。彼らは声をそろえて一心に祈りを捧げており、観光気分ではとてもじゃないが、入っていけない。

 

 

 旧市街の真ん中に伸びるスティクル通りとサヴィチアウス通りには、お洒落なクリエイターズショップがいっぱい並んでいる。

 多くのミュージシャンが路上音楽を奏で、足を止め体を揺らす人々の姿が見えた。

 パフォーマンスをしているミュージシャンの数といったら、ウィーンよりずっと多い。

 

 またこの辺りは、かつて「リトアニアのエルサレム」と呼ばれるユダヤ人街で、ナチスの占領下ではゲットーとなり、多くの人が収容所で命を落とした。

 

 

 橋を渡るとそこは、ウジュピス共和国。

 とは言っても、国ってわけでは無く、芸術家や若者が住んでいて、最近では「ヴィリニュスのモンマルトル」と言われているそう。歩いてみたら、なんだか芸術的な落書きがいっぱいで、何やら治安が悪そうな雰囲気ではあったけれど??

 

 チビ助、暑さで鼻血が出ちゃった。

 

 

 壁にアーティストたちの作品が埋め込まれている。

 

 リトアニア。

 教会が多いことにもびっくりしたが、跪いて祈る人々も多く、信心深さを感じた。

 音楽、アートに溢れていて、人々が心を解放し、表現することを喜んでいるように思える。

 共産主義ソビエトから脱した彼らの反動ともいえるパワーが、街のあちらこちらに感じられ、この国の通ってきた歴史を振り返らずにはいられない。

 

 

 

 

 

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